2022年もやし版このアニメを観ろ!番外編・初見向け「ガンダム」のススメ
お疲れ様です。
水星の魔女が面白いですね。
なんやかんやで「過去のガンダムシリーズを観てみたい!」「けどどれから観ればいいか分からない・・・」という人も少なくないことでしょう。そうであってほしい。
というわけで今回は初見の人に勧めたいガンダム作品を紹介したいです。
基本的にTVシリーズで放送された作品を紹介していきます。
そもそもガンダムってどんな作品?
作品によって全く色合いが変わってくるのですが、基本的には「ロボ」で「戦争」で「子供と大人」がテーマになっています。
よく言われる「人がいっぱい死ぬ」という話ですが、戦争の話なので。まあ死にますよ。
だいたいは「モビルスーツ(MS)」と呼ばれる人型兵器に乗って、戦争したりしなかったりします。
だいたいは主人公が子供で、戦争という大人の都合に振り回されていきます。
不穏な設定ですね。
宇宙世紀と富野由悠季
ガンダムは2つの軸で分けることが出来ます。
まず、「舞台が宇宙世紀であるか否か」。そして「監督が富野由悠季か否か」です。
初代ガンダムの時代設定である「宇宙世紀0079」がまずあって、そこから派生するように後のシリーズは宇宙世紀のその後の話が作られていきました。
この作品群で監督を務めていたのが富野由悠季監督。ファンからは御大とも呼ばれています。
しかし、たくさんガンダムを作って、いくつかのインタビュー曰く”作らされていた”うちに疲れて身体を壊してしまいました。
そこで新しい監督にガンダムを作ってもらう際に、「今までのガンダムをぶっ壊してくれ」と新しい監督に伝え、それまでの宇宙世紀の時代とは異なる世界のガンダム作品が始まりました。
以降のガンダム作品は通例的に作品ごとに繋がっていない世界で作られるようになりました。
これを「宇宙世紀」に対して「アナザー」「アナザーガンダム」と呼ばれるようになりました。
比較的ミリタリ色が強く、時代の整合性等が固められていた宇宙世紀に対してアナザーガンダムは自由度が高く、好みも分かれることになりました。
まず、ここで「宇宙世紀派」「アナザーも良いよ派」みたいな派閥が出来たと聞きます。
しかし富野御大も長い休養を経て帰ってきました。
いくつか他のアニメ作品を手掛けた後、再びガンダムを手がけました。それも「宇宙世紀」ではない「アナザー」のガンダムを。
流石の富野監督、アナザーでも結構地に足付けたガンダムを展開し、宇宙世紀ファンも納得の出来だったようです。
以降、「宇宙世紀 or not」以外にも、「富野監督 or not」というジャンル分けが発生しました。
ついでに言うと、00年代に入り、ガンダムSEED(通称:種)が大ヒット。
新規ファンの参入に古参は辟易し、某ネット掲示板ではガンダム関連の板が「種以降の板」と「それ以前の板」に分かれるほど荒れました。
そのため、00年代以降のガンダムと、90年代以前のガンダムで分ける場合もあります。
各作品紹介
いくつかの時代ブロックに分けて紹介します。
まず「宇宙世紀前半」「宇宙世紀後半」。
「90年アナザーガンダム」「00年アナザーガンダム」「10年アナザーガンダム」。
初見にオススメのガンダムは太字にて記載していきます。
宇宙世紀前半
・機動戦士ガンダム(オススメ!)
・機動戦士Zガンダム
・機動戦士ガンダムΖΖ
・機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
この4作品は繋がりが強く、前作に出てきた人物も多く登場します。
その中でもオススメはやはりガンダムシリーズの祖、初代「機動戦士ガンダム」です。
「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々は子を産み、育て、そして死んでいった。宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この一ヶ月あまりの戦いで、ジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々は自らの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、8ヶ月あまりが過ぎた。」
TVアニメ「機動戦士ガンダム」第一話、冒頭ナレーション
いきなり濃い。
でもみんな最初はこれで面食らってるんです。
ある意味同じスタートラインから楽しめる、という意味でとてもオススメです。
ちなみにTV版では作画の崩れも多く、今見るとかったるい部分も少なくないので、個人的には劇場版三部作「劇場版 機動戦士ガンダム」「劇場版 機動戦士ガンダムII 哀戦士編」「劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編」をオススメしています。
「Zガンダム」は初代ガンダムの7年後を描いた作品。シリーズ1,2を争う重さ。でも人気もトップクラス。
Zも劇場版がありますが、シナリオに一部変更があり、後の時代のシリーズと繋がっていませんので、観るならTVシリーズがオススメです。
「ZZガンダム」はZの直後から始まる続編。強く、逞しい子供が戦争に巻き込まれながらも、抗い、戦っていく。ある意味で健康的なガンダム。
「逆襲のシャア」は初代から続くアムロとシャアの因縁を終わらせる劇場版作品。長年戦ってきたアムロとシャアを中心に描いており、戦闘シーンはシリーズで最も高度な戦いと言われています。
「UC」は逆襲のシャアの直後の時代を福井晴敏が描いた小説作品をOVA化、更にそれをTVシリーズ化したもの。
比較的近年に、しかもOVAで制作されたことからメカの人気が特に高いですが、色々な設定が後付けされており、独自の解釈が盛り込まれたということも相まって一部のファンからは色々言われています。
最近劇場で公開された「閃光のハサウェイ」は逆襲のシャアの続編として富野監督が当時出版した小説作品の映画化作品。
監督は異なりますが、高い演出力と作画レベルに腰を抜かしましょう。ただ、前提として初代4作品の履修が望ましく、そして何よりシリーズトップクラスに辛い話です。
宇宙世紀後半
・機動戦士ガンダムF91
・機動戦士Vガンダム
ここから登場人物が作品ごとにリセットされ、初見でも比較的楽しめるようになってきます。
「F91」は家族愛がテーマになっている劇場版作品。
元々テレビシリーズの予定でシナリオが作られていたため、展開があまりにも速い。
主人公の親とヒロインの親の顔の見分けがつきにくい。
でも作画はめちゃめちゃいいし、シナリオも好き。
最後のシーンが最高。
自分は一番好きなガンダムなのでオススメしています。
「Vガンダム」はTVシリーズとして宇宙世紀の最も先の時代を描いた作品。
トップクラスに明るいOPとは一転、一番沢山人が死にます。
この作品で主人公と出会う敵軍パイロットのセリフがとても印象的で好き。
「こ、こんな現実が…こんな現実があると言うのか。…まだ遊びたい盛りの子供が、こんなとこで、こんな事をしちゃあ…いかん。」
「こ、子供が…戦争をするもんじゃない。こんな事をしていると…みんな可笑しくなってしまう。そうなる前にモビルスーツを降りた方が良い。」
TVシリーズ「機動戦士Vガンダム」第6話、ワタリー・ギラのセリフ
後のシーンと合わせて、戦争は人を狂わせてしまうんだ、ということを克明に描いています。
90年代アナザーガンダム
・機動武闘伝Gガンダム
・新機動戦記ガンダムW(オススメ!)
・機動新世紀ガンダムX
・∀ガンダム
ここから世界観が変わります。
「Gガンダム」はコロニー間闘争を防ぐため、各コロニーの代表同士を地球で戦わせ、コロニーのリーダーを決めようというバトル作品。
家族の復讐・事実的な戦争といったガンダム的要素は多分に含まれていますが、「パイロットの動作を反映するモビルトレースシステム」「派手な肉弾戦」「必殺技」「時には生身でMSと戦うファイターたち」といった派手派手要素が目を引きます。
ガンダムらしいガンダムを観たい!と思うとちょっと外れるかもしれませんが、面白いガンダム作品の一つです。
「ガンダムW」はコロニーが地球の支配から反抗するため、「オペレーションメテオ」を実行する5人のガンダムパイロットを送りこむという作品。
軍や勢力、というより、1対多の戦闘が多いのが特徴的で、その分ガンダムやパイロットたちも個性的に、そしてヒロイックに描かれます。
戦争観についてしっかりと触れており、なおかつ「デデン!」に代表される面白場面も多いので初見で見やすいのではないでしょうか。
美少年ガンダムとして、当時多数のお姉さま方を虜にしたとかなんとか。
OVA「Endless Walts」は直接の続編で、後に劇場版として再編集もされています。こちらも面白いです。
「ガンダムX」は戦争の後、荒廃した地球を舞台に少年たちが生き延びる物語です。
主人公・ガロードの逞しさ、そしてヒロイン・ティファとの微笑ましくなるようなやり取りが魅力的。
そして各話のサブタイトルがそのまま名言になっているという予告システムによって毎回ワクワクして見られる。というか毎回名言がある。かっこいい。
医者のテクス先生が好きな人は多いと思う。
「∀ガンダム」は富野監督によるアナザーガンダム。
文明が崩壊して、再建されつつある世界で「発掘」されたガンダムと、月と地球の争いに巻き込まれていきます。
実は自分はまだ見てないのであんまり語れることがない。
「ガンダムを総括するガンダム」として描かれている設定があり、他のガンダムをいくつか観てから観た方がいいと思います。
00年代アナザーガンダム
・機動戦士ガンダムSEED(オススメ!)
・機動戦士ガンダムSEED DESTINY
・機動戦士ガンダム00
「平成の1stガンダム」として制作されたガンダムSEEDと、それ以降の作品。
「SEED」は遺伝子操作技術が発展し、遺伝子操作を行って生まれた人類「コーディネーター」と遺伝子操作を行わずに生まれた人類「ナチュラル」が存在している世界。
コーディネーターを多く擁するスペースコロニー群は軍事組織「ZAFT」によって地球連合に独立戦争を仕掛ける・・・と1stの流れを強く意識した設定やストーリーラインが多く存在するのが特徴。
敵・味方共に魅力的なキャラクターが多く、メカもかっこいい。
「DESTINY」はSEEDの2年後を描いた直接の続編。
やはり宇宙世紀の作品を意識したようなメカニックが多数出てきますが、ストーリーはかなり独特。
家族の復讐を誓い戦いに身を投じる新主人公・シン、様々な勢力の中で争いに悩む前作ライバル・アスラン、争いを終わらせたい前作主人公・キラ、という3つの視点で物語が進む、のですが。
あまり描き方が上手くいってない感じがあり、放送当時の感想は「シンが主人公かと思ったらどんどん脇に追いやられ、いつの間にか主人公がキラとアスランに乗っ取られていた」という感じ。
キャラクターの回し方が難しかったんだろうなー、というのは想像に難くない。
SEEDから言われていたバンクの使いまわしも多く、あまり評判は良くない。
「00」は再び世界観を変えて、太陽エレベータのエネルギー利権を巡って争う三勢力と、その戦争に「介入する」ガンダム率いるソレスタルビーイングの物語。
シナリオも面白いしメカもキャラクターも立っているし、00年代のWガンダムを意識して作られている感じがします。
「俺が、俺たちがガンダムだ!」はこの主人公。
分割4クールとなっている他、続編である劇場版も制作されています。
絵もこの辺りから最近の作品と戦えるレベルになってくるので、見やすさでは最もオススメの作品。
10年台アナザーガンダム
・機動戦士ガンダムAGE
・ガンダム Gのレコンギスタ
・機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
この辺はもう最近のガンダム。AGEが10年前だって、笑える。
「AGE」は謎の勢力・UEに襲われ始めた地球圏を舞台に、親子三代に渡る壮大な歴史を描く。
シリーズ構成の日野氏などレベルファイブを中心として制作されたガンダム。
評価はイマイチ良くなかったらしいが、観た人は「いや、良かったよ」って言ってるイメージ。
自分も2期途中くらいまでしか観てない。
特に序盤は色々とこれまでのガンダムとは毛並みが異なる部分が多く、人を選んでしまった感がある。
しかし後半はガンダムらしい葛藤や憎しみの連鎖など、三世代積み重ねてきたからの面白さを発揮していく。らしい。
「Gレコ」は富野監督による新作ガンダム。
過去の文明が滅び、技術の過剰な進歩による破滅を防ぐため、過去の技術を制限しながら発展する世界。起動エレベーターによって運ばれてくるエネルギーを巡る争いに巻き込まれた主人公たちが、地球と宇宙を旅する物語。
実は途中までしか観てない。けどテーマとか描き方とか好き。
多分今までのガンダムで一番明るくて元気かもしれない。
EDの「Gの閃光」の歌詞がこの作品のテーマだと思っています。
演出も富野富野していてとても好き。
でも富野監督曰く、色々詰め込み過ぎて散らかってしまったらしい。観ててそんな感じした。
そこを整理して再編集しているのが現在制作されている劇場版Gレコシリーズ。
かなり見やすくなっているらしいのでオススメしたい。俺も見たいもん。
「鉄血」は火星のスラムから成り上がりを狙うヤンキーたちの物語。任侠ものとも言われる。
自分は1話見てそんなに好きではなかったので観てない。
人気は好きな人はかなり好き、嫌いな人もそこそこいるような印象。
メカ設定がなんか、好きなのと違うな、って。。。
で、結局どれを観ればいいの?
初代の劇場版三部作か、Wか種。
個人的にはF91とGレコも推したい。
でも、一番面白いのは「今やってるガンダム」です!
アニメはリアルタイムが一番面白いので。
水星の魔女を見ながら、余裕があったら他のガンダムも見てみてくださいね。
すげーいいこと言った気がする。
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